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3話 丸投げ交渉と、彼女の最強の守り

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-09-25 12:22:48

「いえ……俺は薬屋ですけどね」

「はい?」

 国王とギルマスが驚いた表情になり、二人で顔を見合わせていた。納得できないような表情をしていたので簡単に言い訳をした。

「ですから、薬屋で勝手にSSS級の認定証を発行されて、勝手に冒険者にさせられただけですよ」

「そ、そうなのですね……」

 国王が何とも言えないような顔をして返事をしてきて、ミリアが自慢げな顔をして国王とギルマスに話し掛けた。その青く透き通った瞳が、誇らしげに輝いている。

「わたしの婚約者は、スゴイお強いのですわよ♪」

「はい。存じ上げております……うちの精鋭の王国兵を三十人を相手に無傷で数分で倒しましたからね……」

 国王の言葉に、ギルマスは目を見開いた。

「はい?そんな事があったのですか……それは是非、見たかったですなぁ……」

 ギルマスが残念そうな表情で言ってきた。その目は、まるで宝物を見逃したかのように悔しそうだった。

 「それと……もう一つ宜しいでしょうか……?」

 国王が申し訳無さそうな表情をしながら、言い難そうにしているが、大体は察しがついた。治癒薬のことだろう。

「はい」

「治癒薬の販売を、お願いをしたいのですが……」

 やっぱり、そっちの話もか。それなら交渉が得意なミリアと話をしてもらった方が早いし、間違いが無くて良いだろ。うん……面倒だし!

「あぁ……それならミリアに任せてますので」

 俺は、この世界の常識を知らないし、交渉が不得意なので、悪いけどミリアに丸投げをすることにした。それに事前にミリアに任せるとお願いもしてあるし。するとその言葉に、王様とギルマスが固まった。

 そりゃそうだ。交渉相手が、自分の王国の仕える帝国の皇帝の娘の皇女を相手に、店を出してほしいとお願いというか、交渉をしなくてはいけなくなったので固まるだろう。不成立でも俺は、問題ないし……

「ユウヤ様……相談じゃなかったのですか?」

 ミリアの青く透き通った瞳が、わずかに不満げに俺を見つめる。あれ?相談って言ってたっけ……もう婚約者だし助けてくれても良いよね?

「俺より、ミリアの方が交渉が得意そうだしさ」

「……分かりましたわ。ユウヤ様のお役に立てるのでしたら、引き受けますわ。では、それでしたら冒険者ギルドの近くの店舗を用意をして下さい。それと王家の紋章の看板を掲げて頂けますか?それに王国軍の兵士の警護を二人を常駐させて下さい。どうですか?出来ますか?」

 ミリアに思いが通じたのか、察していてくれて一応は考えてくれていたのか、国王を相手にスラスラと要望と言う名の指示を伝えてくれた。その言葉には、一切の迷いがなく、交渉というよりは命令に近い響きがあった。

 国王は、自分からお願いをしている立場なので、選択肢は一択しかないようだった。ユウヤは、そのことに気づきながらも、ただ黙って事の成り行きを見守る。ミリアが提示した条件は、この世界の常識を知らないユウヤにとっては、無謀なことのようには聞こえなかった。他の王国でも同じ条件で店を出しているのだから、無理難題を言っているわけではないだろう。嫌なら嫌で構わないという、ユウヤの内心の余裕が、その表情からかすかに見て取れる。

「はい。ご用意をさせて頂きます」

 国王は、もはや躊躇もせずに即答した。その顔には、一刻も早くこの面倒な交渉を終わらせたいという安堵が浮かんでいる。ユウヤは内心で、やった、と小さくガッツポーズをする。店舗を探す手間も、警備の手配も、交渉も全てミリアがやってくれた。

(さすがミリアだね。俺の面倒な部分を全部引き受けてくれてる)

 ユウヤは、隣で凛とした表情を浮かべるミリアを見つめ、感謝の気持ちを抱く。だが、ミリアの追撃は、まだ終わらない。

「下級兵士じゃ困りますからね?」

 ミリアは、ユウヤの腕をぎゅっと掴みながら、国王をまっすぐに見つめる。その瞳には、ユウヤを守るという強い意志が宿っていた。

「治癒薬は、狙われやすく警護が貧弱で被害が多発するならば、お店を引き上げます。ユテーリア王国では、大隊長が自ら警護をして頂いてます」

 ミリアの言葉に、国王の顔にわずかな汗がにじむ。その顔には、この皇女がどれほど本気で、そしてどれほどユウヤを大切にしているのかを悟ったような、そんな焦りの色が見えた。ギルマスも、ゴクリと唾を飲み込み、真剣な表情で頷いていた。

「わ、分かりました。信用が出来て強い者を手配をいたしますので、ご安心をしてください」

 国王は、そう言って、深々と頭を下げた。

「貴族の妨害や邪魔も当然、許しませんからね」

 ミリアの鋭い眼光が、国王を射抜く。

「それに関しては王家の紋章を掲げますので、王国の事業を妨害をすれば大罪となりますのでご安心をしてください」

 国王は、胸を張って答える。

「不正も勿論許しませんわよ」

 ミリアが、今度はギルマスに視線を向ける。ギルマスは、一瞬たじろぎ、すぐに頷いた。

「それは勿論でございます」

「では用意が出来ましたら、わたしの屋敷まで報告をお願いしますわね」

 ミリアは、そう言って、国王に優雅に会釈をする。

「かしこまりました」

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  • 異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。第二章   85話 虚偽の言い訳と謀反同等の処罰

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